人中で見つけて、一度お増に突っかかって行った。
「あなたも何か悪いことがあるから、家へ寄っ着かないんでしょう。私ちゃんと知っていますよ。随分ひどい人ね。」とお庄は暗いところで、磯野に厭味を言ってからお増を詰《なじ》った。
「お庄ちゃん、あなたにはすまないが、お察しの通りよ。」とお増は磯野を庇護《かば》うようにして落ち着きはらっていた。
「こうなれば、意地にも磯野さんは私が一緒になって見せますよ。お気の毒ですけれど、まあそう思ってもらいましょうよ。」お増は仮声《こわいろ》のような調子で言った。
「しかたがないから磯野さんも、お庄ちゃんにきっぱりした挨拶をして下さい。」
「そんなことを言うもんじゃないよ。ここで逢ったんだから、とにかく一緒に歩こう。」と、磯野は二人を明るい方へ連れ出して行った。
それからも逢って、話をするような折もなかった。
お庄は夜になると、よく一人で家を脱け出して、お増の部屋の切り戸の外に立ち尽していた。
「お前が騒ぐからなおいけない。」と、母親はたしなめたが、お庄はそっとしておけなかった。
糺や芳村の友達が集まって、そんな相談をしている時も、叔父は棄ておく方がい
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