めかみ》のところに即効紙《そっこうし》など貼《は》って、取り散《みだ》した風をしていた。
「それでなけア、東京でどこか奉公にでも入るか……。」と新吉はいつにない冷やかな態度で、「私《あっし》のところにいるのは、いつまでいても、それは一向かまわないようなもんだがね。小野さんなんぞと違って、宅《うち》は商売屋だもんだで、何だかわけの解らない女がいるなんぞと思われても、あまり体裁がよくねえしね……。」
新吉はいつからか、言おうと思っていることをさらけ出そうとした。
ずっと離れて、薄暗いところで、針仕事をしていたお作は、折々目を挙げて、二人の顔を見た。
お国は嶮相《けんそう》な蒼い顔をして、火鉢の側に坐っていたが、しばらくすると、「え、それは私だって考えているんです。」
新吉は、まだ一つ二つ自分の方の都合をならべた。お国はじっと考え込んでいたが、大分経ってから、莨を喫《ふか》し出すと一緒に、
「御心配入りません。私のことはどっちへ転んだって、体一つですから……。」と淋しく笑った。
「そうなんだ。……女てものは重宝なもんだからね。その代りどこへ行くということが決まれば、私《あっし》もそれ
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