「その時私がちゃんと小遣いまで配《あてが》って、それから何分お願い申しますと、叔母っ子に頼んだくらいじゃないか。」と新吉の語気は少し急になって来た。
「己《おれ》はすることだけはちゃんとしているんだ。お前に不足を言われるところはねえつもりだ。小野なんぞのすること見ねえ、あの内儀さんと一緒になってから、もう大分になるけれど、今に人の宅《うち》の部屋借りなんぞしてる始末だ。いろいろ聞いて見ると随分内儀さんを困らしておくそうだ。そのあげくに今度の事件だろう。内儀さんは裸になってしまったよ。いるところもなけれア、喰うことも出来やしない。その癖あの内儀さんと来たら、なかなか伎倆《はたらき》もんなんだ。客の応対ぶりだって、立派なもんだし、宅《うち》もキチンキチンとする方だし……どうしてお前なんざ、とても脚下《あしもと》へも追っ着きゃしねえ。」
 お作は赤い顔をしてうつむいていた。
「私《あっし》なんざ、内儀さんにはよくする方なんだ。これで不足を言われちゃ埋《うま》らないや。」
「不足を言うわけじゃないんですけれど……。」お作はあちらの部屋へ聞えでもするかと独りではらはらしていた。
「真実《ほん
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