つか見た時よりは肥《ふと》っている。気のせいか蒼脹《あおぶく》れたようにも見える。目の性が悪いと見えて、縁が赭《あか》く、爛《ただ》れ気味《ぎみ》であった。
 母親は長々と挨拶をした。新吉が歳暮の砂糖袋と、年玉の手拭《てぬぐい》とを一緒に断わって出すと、それにも二、三度叮寧にお辞儀をした。
 しばらくすると、嫂《あによめ》も裏から上って来て、これも莫迦叮寧に挨拶した。兄貴はと訊くと、今日は隣村の弟の養家先へ行ったとかで、宅《うち》には男片《おとこぎれ》が見えなかった。

     二十四

 嫂というのも、どこかこの近在の人で、口が一向に無調法な女であった。額の抜け上った姿《なり》も恰好《かっこう》もない、ひょろりとした体勢《からだつき》である。これまでにも二度ばかり見たが、顔の印象が残らなかった。先《さき》もそうであったらしい。今日こそは一ツ、お作の自慢の婿さんの顔をよく見てやろう……といった風でジロジロと見ていた。お作はベッタリ新吉の側へくっついて坐って、相変らずニヤニヤと笑っていた。
「サア、ここは悒鬱《むさくる》しくていけません。お作や、奥へお連れ申して……何はなくとも、春初め
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