学少女らしい好みで、籐椅子《とういす》を縁側においてみたり、清楚《せいそ》なシェドウのスタンドを机にすえたりして、色チョオク画のように、そこいらを変化させるのに器用であった。
 しかし彼女は顔色もまだ蒼白く、長く坐っているのにも堪えられなかった。創口《きずぐち》がまだ完全に癒《い》えていないので、薬やピンセットやガアゼが必要であった。
「先生、すみませんが、鏡じゃとてもやりにくいのよ、ガアゼ取り替えて下さらない。」
「ああいいとも。」
 庸三はそう言って、縁側の明るいところで、座蒲団《ざぶとん》を当てがって、仰向きになっている彼女の創口を覗《のぞ》いて見た。薄紫色に大体は癒着《ゆちゃく》しているように見えながら、探りを入れたら、深く入りそうに思える穴もあって、そこから淋巴液《りんぱえき》のようなものが入染《にじ》んでいた。庸三は言わるるままに、アルコオルで消毒したピンセットでそっと拭《ふ》いて、ガアゼを当てるとともに、落ちないように、細長く切ったピックで止めた。
 ピンセットの先きが微《かす》かにでも触ると、「おお痛い!」と叫ぶのだった。
「どうもありがとう。」
 葉子は起きかえるのだ
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