た》に慈善を哀求してゐる救世軍の仕事なのであつた。この救世軍の仕事は、社会生活の根本へ遡《さかのぼ》ることをしないで、さうした現象に対して到《いた》るところの抱へ主に個人的な私刑を課するやうなものだつた。――無論圭子は引取りはしなかつた。
[#地から1字上げ](昭和十年六月)



底本:「現代文学大系 11 徳田秋聲集」筑摩書房
   1965(昭和40)年5月10日発行
初出:「改造」
   1935(昭和10)年6月
入力:高柳典子
校正:土屋隆
2007年4月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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