》から来たと云って、若《わか》い衆《しゅ》が手紙を持って、迎いに来ましたよ。私《あっし》が取次いだんだから、間違いはありません」
順吉はそう云って、まだ洋服もぬがずにいるお島の血相のかわった顔を眺めていた。
「じゃまた何処かで媾曳《あいびき》してるんだろうよ。上さん今夜こそは一つ突止めてやらなくちゃ……」
お島は急いでコルセットなどを取はずすと、和服に着替えて、外へ飛出していった。時々小野田の飲みに行く家を彼女は思出さずにはいられなかった。
百八
秘密な会合をお島に見出《みいだ》されたその女は、その時から頭脳《あたま》に変調を来して、幾夜かのあいだお島たちの店頭《みせさき》へ立って、呶鳴《どな》ったり泣いたりした。
女はお島に踏込まれたとき、真蒼《まっさお》になって裏の廊下へ飛出したのであったが、その時|段梯子《だんばしご》の上まで追っかけて来たお島の形相の凄《すご》さに、取殺されでもするような恐怖《おそれ》にわななきながら、一散に外へ駈出した。
「この義理しらずの畜生!」
お島は部屋へ入って来ると、いきなり呶鳴りつけた。野獣のような彼女の体に抑えることが出来な
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