《つく》ねてやったりして、半日も話相手になっていた。
「どう云うんでしょう、私の体は……」
お島は看護婦などのいる傍で、いつかも印判屋の上さんに訊《たず》ねたと同じことを言出した。
「夫婦の交際《まじわり》なんてものは、私にはただ苦しいばかりです。何の意味もありません」
「それは貴女《あなた》がどうかしてるのよ」
患者は日ましに血色のよくなって来た顔に、血の気のさしたような美しい笑顔を向けて、お島の顔を眺めた。
「でも可笑《おかし》いんですの。こんなことを言うのは、自分の恥を曝《さら》すようなもんですけれど、実際あの人が変なんです」
お島は紅い顔をして言った。
「ええ、そんな人も千人に一人はありますね」
お島が診てもらった医者に、それを言出すほど気がおけなくなったとき、彼はそう言って笑っていた。
位置が少し変っているといわれた自分の体を、お島はそれまでに、もう幾度《いくたび》も療治をしてもらいに通ったのであった。
「当分自転車をおやめなさい。圧迫するといけない」
お島は苦しい療治にかかった最初の日から、そう言われて毎日和服で外出《そとで》をしていた。
長いお島の病院がよい
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