入れたりすることを行《や》っているのであったが、お島が一人で面白がってやっている顧客《とくい》まわりも、集金の段になってくると、やっぱり小野田自身が出て行くより外ないようなことが多かった。
夕方にお島は機嫌を直して、硝子屋の方へ出て行った。
「この店さえ出来あがれば、少し資本を拵《こしら》えて、夏の末には己が新趣向の広告をまいて、有《あら》ゆる中学の制服を取ろうと思っている」
小野田はそう言って、この頃から考えていた自分の平易で実行し易《やす》いような企劃《もくろみ》をお島に話した。
「それには女唐服《めとうふく》を着て、お前が諸学校へ入込んで行かなければならぬのだがね」
「駄目です駄目です。制服なんかやったって、どれだけ儲かるもんですか」
そんな際物《きわもの》仕事が、自分の顔にでもかかるか何かのように考えているお島は、そう言って反抗したが、好い客を惹着《ひきつ》けるような立派な場所と店と資本とをもたない自分達に取っては、そうでもして数でこなすより外ないことを小野田は主張した。
学生相手の確《たしか》なことはお島も知っていた。洋服姿で、若い学生だちの集りのなかへ入って行く自分
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