た。
「お蔭でどうか恁《こう》かね。でもまだまだ成功というところへは参りません。何しろ資本のいる仕事ですからね。どうか少しお貸しなすって下さいまし。あなた方はみんな好い旦那方じゃありませんか」
お島はそう言って、自分の来たために一層浮立ったような連中を笑わせた。
夜景を見に出るという人達の先に立って、お島も混雑しているその宿を出たが、別れるときに家の方角を能《よ》く教えておいて、広小路まで連中を送った。
「病気って、どこが悪いんです」
お島はまさかの時には、多少の資本くらいは引出せそうに思えていた浜屋に、二人並んであるいている時|訊《たず》ねた。浜屋がその後、ちょくちょく手を出していた山林の売買がいくらか当って、融通が利くと云う噂《うわさ》などを、お島はその土地の仲間から聞伝えている兄に聞いて知っていた。
「どこが悪いというでもないが、肺がちっと弱いから用心しろと言われたから、東京《こちら》で二三専門の博士を詮議《せんぎ》したが、事によったら当分|逗留《とうりゅう》して、遊び旁《かたがた》注射でもしてみようかと思う」
「それじゃ奥さんのが移ったのでしょう。私は一緒にならないで可《
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