みみたぶ》まで紅くなった。若い男などを有《も》っている猥《みだら》な年取った女のずうずうしさを、蔑視《さげす》まずにはいられなかったが、やっぱりその事が気にかかった。人並でない自分等夫婦の、一生の不幸ででもあるように思えたりした。
朝になっても、体中が脹《は》れふさがっているような痛みを感じて、お島はうんうん唸《うな》りながら、寝床を離れずにいるような事が多かった。そして朝方までいらいらしい神経の興奮しきっている男を、心から憎く浅猿《あさま》しく思った。
「こんな事をしちゃいられない」
お島は註文を聞きに廻るべき顧客先《とくいさき》のあることに気づくと、寝床を跳《はね》おきて、身じまいに取かかろうとしたが、男は悪闘に疲れたものか何ぞのように、裁板の前に薄ぼんやりした顔をして、夢幻《ゆめうつつ》のような目を目眩《まぶ》しい日光に瞑《つぶ》っていた。
「それじゃ私が旦那に一人、好いのをお世話しましょうか」
上さんは、笑談《じょうだん》らしく妾《めかけ》の周旋を頼んだりする小野田に言うのであったが、お島はやっぱりそれを聞流してはいられなかった。
「そうすればお上さんもお勤めがなくて楽で
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