されることのあるお島は、それを不思議なことのように疑い異《あやし》まずにはいられなかった。
「じゃ、私が不具《かたわ》なんでしょうかね」
 お島はどうかすると、男の或《ある》不自然な思いつきの要求を満すための、自分の肉体の苦痛を想い出しながら、上さんに訊《き》いた。
「でもこれまで私は一度も、そんな事はなかったんですからね」
 お島はどんな事でも打明けるほどに親しくなった上さんにも、これまでに外に良人を持った経験のあることを話すのに、この上ない羞恥《しゅうち》を感じた。
「真実《ほんとう》は、私はあの人が初めじゃないんですよ」
「それじゃ旦那が悪いんでしょうよ」
「でも、あの人はまた私が不可《いけな》いんだと言うんですの。だから私もそうとばかり思っていたんですけれど……真実《ほんと》に気毒《きのどく》だと思っていたんです」
「そんな莫迦なことってあるもんじゃ有りませんよ、お医者に診ておもらいなさい」
 上さんは、真実《まったく》それが満《つま》らない、気毒な引込思案であるかのように、色々の人々の場合などを話して勧めた。
「まさか……極《きまり》がわりいじゃありませんか」
 お島は耳朶《
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