戯《いたずら》だ。為様のない化物だ」小野田はそう言って笑っていた。
 昨日の晩から頭顱《あたま》が痛いといってお島はその日一日充血したような目をして寝ていた。髪が総毛立ったようになって、荒い顔の皮膚が巖骨《いわっころ》のように硬張《こわば》っていた。そして時々うんうん唸《うな》り声をたてた。
 米や醤油《したじ》を時買《ときがい》しなければならぬような日が、三日も四日も二人に続いていた。お島は朝から碌々《ろくろく》物も食べずに、不思議に今まで助かっていた鶴さん以来の蒲団《ふとん》を被《かぶ》って臥《ふせ》っていた。
 自身に台所をしたり、買いものに出たりしていた小野田には、女手のない家か何ぞのような勝手元や家のなかの荒れ方が、腹立しく目についたが、それはそれとして、時々苦しげな呻吟《うめき》の聞える月経時の女の躯《からだ》が、やっぱり不安であった。
「腰の骨が砕けて行きそうなの」
 お島は傍へ寄って来る小野田の手に、絡《から》みつくようにして、赭《あか》く淀《おど》み曇《うる》んだ目を見据えていた。
 小野田は優しい辞《ことば》をかけて、腰のあたりを擦《さす》ってやったりした。
「私は
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