頼んであるいた。
「仕事はいっくらでも出ます。引受けきれないほどあります」
 小野田はお島がやってみることになった、毛布の方の仕事を背負《しょ》いこんで来ると、そう言ってその遣方を彼女に教えて行った。
 毛布というのは兵士が頭から着る柿色の防寒|外套《がいとう》であった。女の手に出来るようなその纏《まと》めに最初働いていたお島は、縫あがった毛布にホックや釦《ボタン》をつけたり、穴かがりをしたりすることに敏捷《びんしょう》な指頭《ゆびさき》を慣した。「これのまとめ[#「まとめ」に傍点]が一つで十三銭ずつです」小野田がそう云って配《あてが》っていった仕事を、お島は普通の女の四倍も五倍もの十四五枚を一日で仕上げた。
 手ばしこく針を動かしているお島の傍へ来て、忙《せわ》しいなかを出来上りの納《おさめ》ものを取りに来た小野田はこくりこくりと居睡をしていた。
 平気で日に二円ばかりの働きをするお島の帯のあいだの財布のなかには、いつも自分の指頭《ゆびさき》から産出した金がざくざくしていた。
「こんな女《ひと》を情婦《いろ》にもっていれば、小遣に不自由するようなことはありませんな」
 小野田は眠から
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