ぼんやりお島の働きぶりを眺めていた。
「能《よ》くそんなに体が動いたもんだわね」
 姉は感心したように言《ことば》をかけた。お島は襷《たすき》がけの素跣足《すはだし》で、手水鉢《ちょうずばち》の水を取かえながら、鉢前の小石を一つ一つ綺麗《きれい》に洗っていた。夏中縁先に張出されてあった葭簀《よしず》の日覆《ひおい》を洩《も》れて、まだ暑苦しいような日の差込む時が、二三日も続いた。
「ええ、子供の時分から慣れっこになっていますから」お島は笑いながら応《こた》えた。
「子供を産んだ人とは思われないくらいですよ」
「だって漸《ようよ》う七月《ななつき》ですもの。私顔も見ませんでしたよ。淡白《さっぱり》したもんです」
「それにしたって、旦那のことは忘れられないでしょう」
「そうですね。がさがさしてる癖に、余《あんま》り好い気持はしませんね」
「矢張《やっぱり》惚《ほ》れていたんだわね」
「そうかも知れませんよ」お島は顔を赧《あから》めて、
「私が暴れて打壊《ぶちこわ》したようなもんですの。あの人はまたどうして、あんなに気が多いでしょう。些《ちょ》いと何かいわれると、もう好い気になって一人で騒い
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