差し込むと、その握った柄を力一杯に、しかも見事な手つきで尻のあたりまで切りさげておいて、その刃を逆に巧妙に使い分けて皮膚と肉のなかに差しいれて、見る見るうちに、一匹の野犬を血だらけの肉と皺くちゃな一枚の毛皮に引き剥がしてしまった。
短刀が血糊をきって、再び閃めくと、腹部に一筋いれられた切目が、ぶくッと内側から押し破れて、一気に********************溢れるように犬の投げ出された四肢の間一杯に流れ出た。と、支那服の手が、その溢れ出た臓腑をかき分けて、胸骨の間に辷り込んで、二三度胸壁を指さきで抉ぐると、綺麗に二つの肺臓がはがれて、肝臓や胃袋などと一緒くたに濡板の上に掻き出された。そして大腸をたぐって、その最後の部分に刃がはいると、見事に肛門から切断されて、一抱えほどの臓腑が、ずるずると濡板を辷って、血を絞り捨てた同じ穴へ雑作もなく落こってしまった。その上に、支那服が砂を後足でかぶせてしまうと、もうすっかり食慾を唆る肉塊以外の何物でもなかった。
大腿部の関節に、短刀の刃が食い込んで、骨と刃物の音が軋むと、ぼろりと訳もなく肢が完全に離れた。ここまで一気に、見事な冴えを短刀の
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