l sich von der andern trennen;
Die eine halt[#「halt」の「a」はウムラウト(¨)付き], in derber Liebeslust,
Sich an die Welt mit klammernden Organen;
Die andre hebt gewaltsam sich vom Dust
Zu den Gefilden hoher Ahnen.
(あゝ。己の胸には二つの霊が住んでいる。
その一つが外の一つから離れようとしている。
一つは荒々しい愛惜の情を以て、章魚《たこ》の足めいた
搦《から》み附く道具で、下界に搦み附いている。
今一つは無理に塵を離れて、
高い霊どもの世界に登ろうとしている。)
[#ここからポイントを小さくして地付き]
(ゲーテ『ファウスト』第一部一一一二―七 森林太郎訳)
[#ここで引用文終わり]
私は今|湿《うるお》える心をもってしみじみと自己の姿を眺めなければならない。私の頑健な肉体が限りなく私を不幸にする。私の眼は鷲のように漁ろうとし、私の口は虎のように貪ろうとし、私の手は獅子《しし》のよう
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