三百枚に至るの日ペンを擱《お》こうと思った。しかし中途にして私は再び初めの正しき動機に立返ることが出来た。組織や体系やは現在の私の問題の中にあってはならない。私自身の心の改造が何よりも肝要なことである。かくて私は私がそれについて書いてみようと思った、友情、恋、愛、教育、社会、文化の諸概念の考察を思い止ることにした。これらの諸概念の中のあるものたとえば友情、恋、愛等については私はこれまでにたびたび反省してみる機会をもつことができたのであって、現在の私はそれらの概念をもう一度吟味してみることに迫られていないと思う。また他のものたとえば教育、社会、文化等については、それらが私の今の心の状態に直接の関係をもっていないばかりでなく、私のそれらに関する知識や経験の貧しさは第一に私がそれらについて語ることの僣越を咎《とが》める。私は私が近頃それの悪を私の衷に特に感ぜざるを得なかった虚栄心、利己心、傲慢心の三者を排斥して素直な心をもって置換えることにこの一篇の中心目的を見出すのである。私の体系を求むる心が本当に私自身に迫るとき、もしくは私の生活がそれをさせずにはおかないようになったとき、私はいま私の考
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