を、社會的《しやくわいてき》に觀察《くわんさつ》すれば、嫁《よめ》にもらひ手《て》のない女文士《をんなぶんし》の救濟家《きうさいか》(この一|句《く》、失言《しつげん》、取消《とりけ》し。こんな事《こと》もあらうかと、初《はじ》めに、皆《みな》美人《びじん》だと、御世辭《おせじ》をいつておいたのだが)。
 とにかく、メンスの上《あが》つた女性《ぢよせい》で(どうもこれも失言《しつげん》らしいが)老《お》いてます/\旺《さか》ん(これもまた失言《しつげん》らしいが)なのは、關西《くわんさい》では林歌子《はやしうたこ》、關東《くわんとう》では長谷川時雨《はせがはしぐれ》だけである。田村俊子《たむらとしこ》、岡田八千代《をかだやちよ》、與謝野晶子《よさのあきこ》、等々《とう/\》、皆《みな》振《ふる》はない中《うち》に、たゞ一人《ひとり》、時雨女史《しぐれぢよし》が、三宅《みやけ》やす子《こ》、宇野千代《うのちよ》、平林《ひらばやし》たい子《こ》などの若《わか》い人《ひと》以上《いじやう》に、お河童《かつぱ》の女《をんな》の中《なか》に餓鬼大將《がきだいしやう》として、女性行進曲《ぢよせいか
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