《あっさり》したのといろいろの店があって、味のちがうのを知っているが、考えるなら粉末とし、加工し、精を抜いて、もっと、種々の製品が出来るにちがい無い。不景気な時の暇な内に少し研究しておいて、無駄にならんことである。
女給と、料理と、飴以外に、未だまだ大阪特有の品で、販路の拡まるべきものがある。追々それを私は説明して行こう。とにかく私のは谷孫六先生のように、奇才縦横ではないが、相当に金儲け位は知っているのである。
だが、昆布は、少し、高すぎる。シュークリームなら、二円であろう箱が、七八円である。これは、現在の昆布屋が、考えるべき唯一の点で、将来の昆布屋も、考慮すべき所である。昆布は、もっと、安く、もっと拡まるべきものである。「大丸製昆布」それが、日本中に弘まることは、必ずしも、難事ではない。価値のあるものをして正当の価値に扱わしめよ。私は、私の郷土の名産物として、昆布の不遇を、嘆ずるものである。
飛行機
私は、いつものように、飛行機である。東京から、三十円である。マントも帽子も買えない私として、大変高価であるし、人から、贅沢だと、見られているらしい。
だが、飛行機は、二時
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