目かも知れんが、困っているなら」
女房が
「やります、保高さん、何んな事でも」
「しかし子供が」
「子供は、僕が育てる」
「そうかね。月給は十八円で、電車のパスが二冊出るんだ。そして別に手当が五円だけれど――」
「結構だわ、保高さん、頼んで頂戴」
女房は、必死であった。
(見っともない、騒ぐな)
と、私は一寸、睨みつけたが、うまく行ってくれと、心の中では祈っていた。この時の読売婦人欄の主幹が、前記の前田晁氏、上司小剣氏も在社された頃である。
「青野も、保高もいるし、やってみろ。一ヶ月でもいいや、十八円ありゃ助かるからな」
「そう、じや、社へ明日来てくれますか」
「伺います」
今、大朝《だいちょう》にいる恩田和子女史も、この時の記者であった。五月頃であったであろうか、女房は婦人記者として、読売新聞へ勤める事になったが、亭主の私は、何うであろう。生れて一年足らずの長女のお守である。私が、あぐらをかいて、左脚の所を枕に頭をのせ、脚を私の右脚の上へ置くと、子供は、あぐらの中へ、すっぽりと入ってしまう。これを、上へ下へ動かすと、子供は快く寝るが、男の子守はやってみるといい。女は何《ど》う
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