だ兵力が足りなくって第八師団も今度旅順に向かって発《た》つという噂《うわさ》ですな」
「第九に第十二に、第一に……、それじゃこれで四個師団……」
「どうもあそこを早く取ってしまわないんではしかたがないんでしょう」
「なかなか頑強《がんきょう》だ!」
と言って、病人は咳嗽《せき》をした。
やがて、
「遼陽のほうは?」
「あっちのほうが早いかもしれないッていうことですよ。第一軍はもう楡樹林子《ゆじゅりんし》を占領して遼陽から十里のところに行ってますし、第二軍は海城《かいじょう》を占領して、それからもっと先に出ているようですし……」
「ほんとうに丈夫なら、戦争にでも行くんだがなア」
と清三は慨嘆《がいたん》して、「国家のために勇ましい血を流している人もあるし、千載《せんざい》の一遇《いちぐう》、国家存亡の時にでっくわして、廟堂《びょうどう》の上に立って天下とともに憂《うれ》いている政治家もあるのに……こうしてろくろくとして病気で寝てるのはじつに情《なさけ》ない。和尚さん、人間もさまざまですな」
「ほんとうですな」
和尚さんも笑ってみせた。
しばらくして、
「原さんから便りがあります
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