みたが、効がなかった。秋風が立つにつれて、容体《ようだい》の悪いのが目に立った。
やがて盂蘭盆《うらぼん》がきた。町の大通りには草市《くさいち》が立って、苧殻《おがら》や藺蓆《いむしろ》やみそ萩や草花が並べられて、在郷から出て来た百姓の娘たちがぞろぞろ通った。寺の和尚《おしょう》さんは紫の衣を着て、小僧をつれて、忙しそうに町を歩いて行った。茄子《なす》や白瓜や胡瓜《きゅうり》でこしらえた牛や馬、その尻尾《しっぽ》には畠から取って来た玉蜀黍《とうもろこし》の赤い毛を使った。どこの家でも苧殻《おがら》[#「苧殻」は底本では「績殻」]で杉の葉を編《あ》んで、仏壇を飾って、代々の位牌《いはい》を掃除して、萩の餅やら団子やら新里芋やら玉蜀黍《とうもろこし》やら梨やらを供えた。
女の児は新しい衣《きもの》を着て、いそいそとしてあっちこっちに遊んでいた。
十三日の夜には迎え火が家々でたかれる。通りは警察がやかましいので、昔のように大仕掛《おおじか》けな焚火《たきび》をするものもないが、少し裏町にはいると、薪《たきぎ》を高く積んで火を燃している家などもあった。まわりに集まった子供らはおもしろがっ
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