の趣味を鼓吹《こすい》した。
小畑からやがてその教科書類が到着した。この秋まで音楽に熱心であった心はだんだんその方面に移っていった。わからぬところは関さんに聞いた。
村の百姓たちはふたたび若い学校の先生の散歩姿を野道に見るようになった。写生しているそのまわりに子供たちが圏《わ》をかいていることもある。かれは弥勒野《みろくの》の初冬の林や野を絵はがきにして、小畑や加藤に送った。
三たびこのさびしい田舎《いなか》に寒い西風の吹き荒れる年の暮れが来た。前の竹藪《たけやぶ》には薄い夕日がさして、あおじやつぐみの鳴き声が垣に近く聞こえる。二十二日ごろから、日課点の調べが忙しかった。旧の正月に羽生《はにゅう》で挙行せられる成績品展覧会に出品する準備もそれそうおうに整頓しておかなければならなかった。図画、臨本模写《りんぽんもしゃ》、考案画《こうあんが》、写生画《しゃせいが》、模様画《もようが》、それに綴り方に作文、昆虫標本、植物標本などもあった。それを生徒の多くの作品の中から選ぶのはひととおりの労力ではなかった。どうか来年は好成績を博《はく》したいものだと校長は言った。
それにどうしてか、こ
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