な音頭取《おんどと》りにつれて、誰も彼も熱心に踊った。
九時過ぎからは、人がますます多く集まった。踊りつかれると、あとからもあとからも新しい踊り手が加わって来る。輪はだんだん大きくなる。樽拍子はますますさえて来る。もうよほど高くなった月は向こうのひろびろした田から一面に広場を照らして、木の影の黒く地に印《いん》した間に、踊り子の踊って行くさまがちらちらと動いて行く。
村にはぞろぞろと人が通った。万葉集のかがいの庭のことがそれとなく清三の胸を通った。男はみな一人ずつ相手をつれて歩いている。猥褻《わいせつ》なことを平気で話している。世の覊絆《きはん》を忘れて、この一夜を自由に遊ぶという心持ちがあたりにみちわたった。垣の中からは燈光《あかり》がさして笑い声がした。向こうから女づれが三四人来たと思うと、突然清三は袖《そで》をとらえられた。
「学校の先生!」
「林さん!」
「いい男!」
「林先生!」
嵐のように声を浴びせかけられたと思ったのも瞬間であった。両手を取られたり後ろから押されたり組んだ白い手の中にかかえ込まれたりして、争おうとする間に二三間たじたじとつれて行かれた。
「何をするん
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