の関係についてまず語った。
「そうしてみると、先生なかなかご執心《しゅうしん》なんだねえ」
「ご執心以上さ!」と郁治は笑った。
「この間まではそんな様子が少しもなかったから、なんでもないと思っていたのさ、現にこの間も、『おおいに悟った』ッて言うから、ラヴのために一身上の希望を捨ててはつまらないと思って、それであきらめたのかと思ったら、正反対《せいはんたい》だッたんだね」
「そうさ」
「不思議だねえ」
「この間、手紙をよこして、『余も卿等《けいら》の余のラヴのために力を貸せしを謝す。余は初めて恋の物うきを知れり。しかして今はこのラヴの進み進まんを願へり、Physical なしに……』なんて言ってきたよ」
この Physical なしにという言葉は、清三に一種の刺戟《しげき》を与えた。郁治も黙《だま》って歩いた。
郁治は突然、
「僕には君、大秘密《だいひみつ》があるんだがね」
その調子が軽かったので、
「僕にもあるさ!」
と清三が笑って合わせた。
調子抜けがして、二人はまた黙って歩いた。
しばらくして、
「君はあの『尾花《おばな》』を知ってるね」
郁治はこうたずねた。
「知っ
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