はいりませんか、やすけりゃ少し買って甘露煮《かんろに》にしておくといいがね」と言った。で、二人は縁側に出てみた。
 二つの※[#「竹かんむり/令」、第3水準1−89−59]※[#「竹かんむり/省」、第4水準2−83−57]《びく》には、五寸ぐらいから三寸ぐらいの鮒が金色《こんじき》の腹を光らせてゴチャゴチャしている。
「少し小さいな」
 と校長さんは言った。
 「小さいどころか、甘露煮にするにはこのくらいがごく[#「ごく」に傍点]だアな。それに、板倉《いたくら》で取れたんだで、骨は柔《やわ》らけい」
 種類としては質《たち》のいい鮒《ふな》なのを校長はすぐ見てとった。利根川《とねがわ》を渡って一里、そこに板倉沼というのがある。沼のほとりに雷電《らいでん》を祭った神社がある。そこらあたりは利根川の河床《かわぞこ》よりも低い卑湿地《ひしっち》で、小さい沼が一面にあった。上州《じょうしゅう》から来る鮒や雑魚《ざっこ》のうまいのは、ここらでも評判だ。
「幾がけだね?」
「七なら高くはねえと思うんだが」
「七は高い!」
「目方をよくしておくだで七で買ってくんなせい」
「五ぐらいならいいが」
「五
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