無理に伴れて行つたのですの……石なんかいくつもいくつもわたつて行くんですもの……私、始めの中は、ついて行きましたけれども、しまひには行けなくなつて了つたんですの……。何故ツて、蛇なんか澤山ゐるなんておどかすんですもの……。やつとのことで、手を曳いて行つて貰つたりして、この大きい方のあるところまで行つたんです……』
『まアね』
『それから、あとはみんな長能が採つてくれたんですの……。男でなくつては何うしてもだめね……』
『まア、私も兄さんに伴れて行つて貰はうかしら?』
窕子はいかにも羨しさうにその白い百合の花を眺めた。
『それをさし上げませう! それでは――』
『いただいたのではまだ足りないんですよ。やつぱり男の人につれて行つて貰つて、女ではとゞかないところにあるものを採つて來ればこそ羨しいんですよ。ねえ、呉葉、さうは思はない?』
『お仲が好いですからね』
呉葉も笑つて見せた。
『また、あんなことを……仲が好いなんて……? そんなことちつともないわ。私、無理やり伴れて行かれたんですもの……。あそこ、少し行くと、ひどいところがあるんです。石につかまつて行かなくつちやならないやうな
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