この由良《ゆら》鬼《おに》のいとほしさ
ほどいてたもとなきいでぬ。
11
越中《ゑつちゆう》富山《とやま》の薬《くすり》売《う》り
おはぐろとんぼがついとでて
白いカウモリ傘《がさ》の柄《え》にとまり
また日《ひ》まわりの葉《は》にとまり
ついととんではまたもどる。
12
お遍路《へんろ》さんお遍路さん
おやまのむかふは雨さうな
霰《あられ》をおくれ豆《まめ》おくれ
まめがなけねばこの路《みち》法度《はつと》。
13
股《また》のしたから麓《ふもと》をみれば
さても絵のよなよい景色《けしき》。
[#改丁、挿し絵入る、61]
[#改丁]
どこの町ぞときいたらば
それはわたしの村でした。
14
梭《おさ》の手《て》をやめ歌《うた》ふをきけば
――もつれた糸《いと》なら
ほどけもせうが
きれた糸ゆゑ
せんもなや。
[#改丁、左寄せ]
少年なりし日
[#改丁]
人形遣
「めでたやなめでたやな
さりとはめでたやめでたや」と
紺《こん》の布簾《のれん》のつまはづれ
人形《にんぎよ》遣《つかひ》がきたさうな。
母のかげよりそとみれば
人形遣のう
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