服の将軍連は、俄かに齷齪とし始め、いやにぴよこぴよこしながら、その人物の一言半句はもとより、些細な身振りにまで注意して、奔命これ務めるといつた様子が見られた。しかし大総帥は、そんなことにはまるで関心をもたぬもののやうに、ちよつと頤をしやくつておいて、ザポロージェ人の方へつかつかと進みよつた。
ザポロージェ人たちは一斉に最敬礼をした。
「これで一同おそろひかな?」と、少し鼻にかかる声で徐ろに彼が訊ねた。
「はい、皆々そろつて居りまするので、閣下!」と、ザポロージェ人たちは、更に敬礼をしなほして答へた。
「わしが教へたとほりの言葉づかひを忘れないやうにな!」
「はい、閣下、忘れはいたしませぬ。」
「これは皇帝《ツァーリ》ですかい?」と、鍛冶屋はザポロージェ人の一人に、そつと訊ねた。
「皇帝《ツァーリ》つちふことがあるものか、お主《ぬし》! これあ、*ポチョームキン元帥だよ。」と、その男が答へた。
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ポチョームキン(グリゴーリイ・アレクサンドロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチ、1739―1791) エカテリーナ二世時代の顕官で、青年時代よ
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