! ぢやが、おれはまた馬鹿な……。それはさうと、あの忌々しい袋は何処へやつたのぢや?」
「隅つこへ投り込んでおいたわよ、もうあん中にはなんにも無かつたわ。」さうオクサーナが答へた。
「その何にもないちふぺてんをおれはよう知つとるぞ! ここへ持つて来な、あん中にはまだもう一人は入つとる筈ぢや! ようく振るつて見な……。なんだと、何もねえつて? 忌々しいくそ婆あつたらないて! その癖、あいつは、まるで猫とと食はぬ、お聖人様みてえな面をしてやがるんだ……。」
しかし、チューブが暇にまかせて憤懣を吐き散らしてゐる間に、われわれは鍛冶屋の方へ眼を移して見ることにしよう。時刻はもう、かれこれ九時ちかくにもなつたらうから。
* * *
初めのうち、ワクーラは怖いやうに思つた。殊に地上の物が何ひとつ見えないほど高く昇つて、まるで蠅のやうに、月の下をすれすれに飛び過ぎる時などは、ちよいと身を屈めなかつたら、危く月に帽子をひつかけてしまふところだつたので、彼ははらはらした。だが、暫らくすると彼もすつかり元気になつて、そろそろ悪魔をからかひはじめた。(彼が
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