ら彼は呟やいた。※[#始め二重括弧、1−2−54]屹度この中にやあ豚肉が入つとるぞ。どいつだか運のええ奴が、流しでしこたま詰め込みやあがつたな! どうも、おつそろしい袋ぢやて! まあ、この中に蕎麦麺麭《グレチャーニック》と揚煎餅《コールジュ》ばかり詰まつてゐるにしても豪勢だが、これがみんな扁平麺麭《パリャニーツァ》だつたら、占めたものだ。あの猶太女め、扁平麺麭《パリャニーツァ》一つで火酒《ウォツカ》を一杯づつはよこすからな。誰にも見つからないうちに、早く持つて行かう。※[#終わり二重括弧、1−2−55]
 そこで彼は、チューブと補祭の入つてゐる袋を肩へしよつて見たが、それがどうも実に重い。※[#始め二重括弧、1−2−54]いや、これあ一人ではとても運びきれん。※[#終わり二重括弧、1−2−55]と、彼は弱音を吐いた。※[#始め二重括弧、1−2−54]やあ、ちやうど好いところへ織匠《はたや》のシャプワレンコがやつて来をつたぞ。※[#終わり二重括弧、1−2−55]「よう、オスタープ、今晩は!」
「今晩は。」と、織匠《はたや》は立ちどまつて返辞をした。
「どこへ行くだね?」
「いや別に。ぶら
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