つちやないて、※[#終わり二重括弧、1−2−55]と、祖父は心の中で呟やいた。※[#始め二重括弧、1−2−54]これあ、祭司《をしやう》がとこの牧場ぢやないか。そうら、この籬も祭司《をしやう》んとこのぢや! もう、うちの瓜畑までは、ものの十町とはない筈ぢや。※[#終わり二重括弧、1−2−55]
だが、祖父が戻つたのはかなり夜更で、煮団子《ガルーシュキ》も欲しくないといつて食はなかつた。兄のオスタップを起して、ただ一言、運送屋たちはもう発《た》つて行つたかと訊ねたきり、毛皮外套にくるまつてしまつた。そして兄が、※[#始め二重括弧、1−2−54]けふお祖父さんは、いつたい何処へ行つてたの?※[#終わり二重括弧、1−2−55]と訊くと、※[#始め二重括弧、1−2−54]そんなことを訊くでねえ。※[#終わり二重括弧、1−2−55]と、祖父は、一層ひしと毛皮外套にくるまりながら答へた。※[#始め二重括弧、1−2−54]きくでねえだよ、オスタップ、でねえとな――お主、頭の毛が白うなつてしまふだよ!※[#終わり二重括弧、1−2−55]それきり、恐ろしく大きな鼾きを立てはじめたので、瓜畑を塒にしてゐ
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