するよ。※[#始め二重括弧、1−2−54]宝玉も、黄金の鍛冶場も、陛下の皇国《みくに》全体も要りませぬ。それよりも、オクサーナをば遣はしなされませ!※[#終わり二重括弧、1−2−55]つてな。」
「あんたも、ずゐぶん隅におけないわね! でも、うちのお父《とつ》つあんだつてなかなかの凄腕よ。見ていらつしやい、今にあんたとこのお母さんと結婚するから!」かうオクサーナは、狡さうに笑ひながら言つた。「それはさうと、みんなはなぜやつて来ないんだらう……。いつたいどうしたといふのだらう? もう疾つくに流しに出かける時間だのに、あたし退屈しちやつたわ。」
「あんな連中のことあ、どうだつていいぢやないか、おれの別嬪さん!」
「さうでもないわ! あの人たち、きつと若い衆をつれて来るからさ。さうしたら舞踏会だつて出来るんだもの。どんなにおもしろい話が出ることだらう!」
「そんなにお前は、あんな連中といつしよに騒ぐのが面白えのかい?」
「それあ、あんたといつしよに、かうしてゐるよりは面白いわ。あら! 誰だか戸を叩いてゐるわ。きつとみんなが若い衆といつしよに来たんだわ。」
※[#始め二重括弧、1−2−54]何
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