てニコ/\[#「ニコ/\」に傍点]して居たものと見える、第一、放哉も北朗も、ソレ程意気込んで居た句が一句[#「一句」に白丸傍点]も出来なんだことを以つて見ても、たゞ、ボンヤリ[#「ボンヤリ」に傍点]して喜んで居たことが解ると思ふ。中津の同人、丁哉氏が送つて来てくれた、小供が三人で蟹に小便かけて居る絵を壁にはり付けて放哉が毎日見て喜んで居るのだが、之を二人で眺めては、只五日間と云ふものニコ/\[#「ニコ/\」に傍点]、ゴタ/\[#「ゴタ/\」に傍点]、して居たものと見える、強ひて個条書きにでもして見れば、次のやうな事があつたやうに思ふ。――
△北朗、毎朝お経をあげてくれて、放哉大に感銘せしこと、そして北朗の読経中々うまくなつたこと。
△北朗の朝寝坊と寒がりとには、放哉あきれながら成る程/\と思へり、それは、女房を持つてる奴は贅沢だなあ……と云ふこと。
△北朗一日寒霞渓に至りおみやげに紅葉の枝をもつて帰る、それが甚だ汚ない紅葉、放哉未だ寒霞渓を知らず、其の紅葉を活けてながめて居ること。
△北朗、放哉の手の黒いのを見て(垢で)如何に女に近づかぬからとてアンマリ[#「アンマリ」に傍点]
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