てもらふ事と話しがきまつて二人で夜中に出かける。「西光寺サンてどんな人だい」、「それは、とても、エライ[#「エライ」に傍点]坊さんだよ、マアあつて見給へ」……之は後日話しなれ共北朗出発する時曰く、西光寺の和尚さんはエライ人だなあメツタ[#「メツタ」に傍点]に見た事が無い云々……これから西光寺さんと、井上家とを訪問して(一二君上阪中にて留守)帰つて庵で寝る、此の間に西光寺さんから北朗のために上等の布団が持つて来てあつたので、北朗全くホクホク物でその布団のなかにはいつて寝た。……今夜の庵の賑かなことかな、但之も亦五日後[#「亦五日後」に白丸傍点]にはモト[#「モト」に傍点]の静寂の庵に帰らなければならない、イヤ[#「イヤ」に傍点]そんな事思ふまい思ふまい。
 日日是好日[#「日日是好日」に傍点]の筈では無いか、……放哉もいつしか寝込んでしまふ。扨これから北朗五日[#「五日」に傍点]庵に居たのだけれ共、今書かうと思つても書くことが無い、不思議なことだが、なんにも無いやうな気がする、マトマツタ[#「マトマツタ」に傍点]事がなんにも無い、只馬鹿な顔をして、二人でゴタ/\[#「ゴタ/\」に傍点]し
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