ひどいと云ふ、処が放哉茲三ヶ月[#「三ヶ月」に傍点]間一度も風呂にはいつた事がないので当り前也、洗へば白くなる[#「洗へば白くなる」に傍点]のは茲だよとて大笑せしこと。
 △北朗来の翌日より井上家から毎日、御馳走をもつて来て下さる、(一二君のオツ母さんと云ふ人が実に料理の妙手[#「妙手」に傍点]で専門家正にはだし[#「はだし」に傍点]也)北朗は勿論、放哉大に悦に入りて毎日いただいたこと。
 以上位なものであらうか、北朗全く和寇の如く、風の如く来り而して又風の如く去る、北朗、あの芸術家の北朗よ健在なれ、放哉いつ又君に逢へることやらな。



底本:「尾崎放哉全集 増補改訂版」彌生書房
   1972(昭和47)年6月10日初版発行
   1980(昭和55)年6月10日増補改訂版発行
   1988(昭和63)年10月20日増補改訂二版発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:門田裕志
校正:高柳典子
2006年1月2日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.a
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