来ないので少々中ツ腹[#「中ツ腹」に傍点]になつて居たものなり、そこで、扨、夜となり、井師にハガキを送り……処が此の四五日前から私の肩が非常にこる[#「こる」に傍点]普通のこり[#「こり」に傍点]方ではないので、実にイヤ[#「イヤ」に傍点]なこり[#「こり」に傍点]方だ、これは私の病気のセイ[#「セイ」に傍点]から来るのでもあるが、益ひどくなつて来たので、こんな時には按摩さんにもんでもらつて寝た方がよいと思ひ付いて、村の按摩さんを呼んで来て、これから愈もんでもらふとなつた途端に、ガラ/\と障子をあけて、ヒヨコ/\と這入つて来た者あり……北朗正に夜中に出現せり……全くこれでは和寇以上であり、正に夜中の押し込み[#「押し込み」に傍点]である呵々……扨愈北朗出現……処がこれからが又頗るダラシ[#「ダラシ」に傍点]の無いもので、(按摩さんは勿論直ちにいんでもらふ)「オイ[#「オイ」に傍点]、何故もつと早く来なかつたのだい、待つたぜ、待つたぜ」、「ウン[#「ウン」に傍点]船の出る時間がよくわからなかつたもんだから」……これでお終ひ、今迄長たらしくダラ/\書いて来た事は、たつた此の一ト口宛の会話で
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