2
白熱の俎上にをどる薔薇、薔薇、薔薇。
3
しろくなよなよとひらく、あけがた色の勤行《ごんぎやう》の薔薇の花。
4
刺《とげ》をかさね、刺《とげ》をかさね、いよいよに にほひをそだてる薔薇の花。
5
翅《つばさ》のおとを聴かんとして 水鏡《みづかがみ》する 喪心《さうしん》の あゆみゆく薔薇
6
ひひらぎの葉《は》のねむるやうに ゆめをおひかける 霧色《きりいろ》の薔薇の花。
7
いらくさの影《かげ》にかこまれ 茫茫とした色をぬけでる 真珠色の薔薇の花。
8
黙祷の禁忌のなかにさきいでる 形《かたち》なき蒼白の 法体《ほつたい》の薔薇の花。
9
欝金色の月に釣られる 盲目の ただよへる薔薇。
10[#「10」は縦中横]
ひそまりしづむ木立《こだち》に 鐘をこもらせるうすゆきいろの薔薇の花。
11[#「11」は縦中横]
すぎさりし月光にみなぎる 雨の薔薇の花。
12[#「12」は縦中横]
吐息をひらかせる ゆふぐれの 喘《あへ》ぎの薔薇の花
前へ
次へ
全63ページ中59ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
大手 拓次 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング