V侯笑ひて、そは預期すべき事なり、いかなる題に逢ひても、自家の感情をもてこれに附會することを得るはアントニオ[#「アントニオ」に傍線]が長技ならずやと答へ給ふ。ハツバス・ダアダア[#「ハツバス・ダアダア」に傍線]は嗄《か》れたる聲振り絞りていふやう。句々洗錬の足らざるが恨なり、ホラチウス[#「ホラチウス」に傍線]の教を知らずや、唯だ放置せよ、放置してその熟するを待てといへり、おん身の作も亦然なり。
人々は早く既に一槌をわが美しき彫像に加へしなり。我は猶二三章を讀みしかど、只だ冷澹にして輕浮なる評語の我耳に詣《いた》り入るあるのみ。人々は又我肺腑中より流れ出でたる句を聞きて、古人《いにしへびと》某の集より剽竊《へうせつ》せるかと疑へり。嗚呼、初め我が人をして聳聽《そうちやう》せしむべく、怡悦《いえつ》せしむべき句ぞとおもひしものは、今は人々の一顧にだに價せざらんとす。我は第二折の末に到りて、興全く盡きぬれば、人々に謝して讀むことを止めたり。此に至りて、自ら我手中の詩篇を顧みれば、復た前《さき》の綽約《しやくやく》たる姿なくして、彼《かの》三王日の前夜フイレンチエ[#「フイレンチエ」に傍
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