事《こと》が喜《よろこ》ばしい事《こと》だったという気持《きもち》にもなるのでした。そのためにかえって今《いま》自分《じぶん》とり囲《かこ》んでいる幸福《こうふく》を人《ひと》一|倍《ばい》楽《たの》しむ事《こと》が出来《でき》るからです。御覧《ごらん》なさい。今《いま》、この新《あたら》しく入《はい》って来《き》た仲間《なかま》を歓迎《かんげい》するしるしに、立派《りっぱ》な白鳥達《はくちょうたち》がみんな寄《よ》って、めいめいの嘴《くちばし》でその頸《くび》を撫《な》でているではありませんか。
 幾人《いくにん》かの子供《こども》がお庭《にわ》に入《はい》って来《き》ました。そして水《みず》にパンやお菓子《かし》を投《な》げ入《い》れました。
「やっ!」
と、一番《いちばん》小《ちい》さい子《こ》が突然《とつぜん》大声《おおごえ》を出《だ》しました。そして、
「新《あたら》しく、ちがったのが来《き》てるぜ。」
 そう教《おし》えたものでしたら、みんなは大喜《おおよろこ》びで、お父《とう》さんやお母《かあ》さんのところへ、雀躍《こおどり》しながら馳《か》けて行《い》きました。
「ちが
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