ばんで、堀口の前からローラをさへぎつた。
「何も彼も私には好く解つてゐるさ。第一もうローラさんが着くといふ電報は君達よりも先に此方が受取つてゐるし……」
ローラの顔には憂ひの色が浮んでゐた。滝本は、感情になど走つて、堀口のことをあんな風に説明したりしたことを後悔した。
堀口が、彼等を、親類の人達も集つてゐることだから真直ぐに実家の方へ向ふやうにすゝめたが、滝本は
「森の家へ行くことになつてゐるから――彼方《あちら》で皆なが待つてゐるから――彼処《あそこ》で待つてゐる者だけが僕の友達であり、親類なんてには何の用もないから――」
そして今はもう、森の家が、自分達の家なんだから――などゝ云ひ張つてゐるところに、武一と竹下と村井が八重も一処に伴れて、馬車でやつて来た。亢奮した滝本の眼から涙が滾れてゐるのを見て、一同は驚いた。
ローラは自分の方に背を向けて堀口と何か云ひ争つてゐるフランクの背中を見てゐたので何も気づかなかつたが、店先に止つた馬車から降りて来る若者達が、何かたゞならぬ気色で、彼の周囲に駆け寄ると、左右からその腕を支へて堀口の前を離したので、はじめて彼の顔に気づいた。
「フラ
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