環魚洞風景
牧野信一

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)音響《おと》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三|哩《マイル》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「革+稻のつくり」、第4水準2−92−8]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)こと/″\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

[#5字下げ]一[#「一」は中見出し]

「まつたく、ひどい音響《おと》だね! あれは――もう僕は、大抵慣れたつもりなんだが、だがさつぱり駄目だよ。――これほど突拍子もないものになると、一日に何辺繰り反されても、その度にひどく驚かされるんだ、その余韻が消えるまでには、相当の時間を要するほどに――だ。……で、ね、もう起る時分だな、と、さう思つて、時にはね、いたづらな反抗心といふやつをもつてさ、つまり――何の、さアやるんならやつて見ろ、といふほどの心になつてさ、(それは、まア例へばなんだぜ、勿論――)、待ち
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