k border, O,
And carefully he bred me
In decency and order, O;
He bade me act a manly part,
Though I had ne'er a farthing, O;
For without an honest manly heart,
No man was worth regarding, O.”
[#ここで横組み終わり]
彼には、わけが解らなかつたがFが、これはロバート・バーンスの詩の一節だと云つたのである。彼は、「同意語と反意語」を何遍も何遍もひつくり返して判読したのだが、事更にそんな言葉を与へられたかと思ふと、皮肉にとらずには居られなかつたのだ。
彼は、此の頃の自分の鈍い心は常に低い程度でうらはら[#「うらはら」に傍点]に動くばかりの気がしてゐた。鈍くても好いから「一つ」に止まりたかつたのである――そんな空想に時々走つた。
「一晩泊りで帰るなんて、珍らしいことぢやありませんか。」
「何だか、務めの方が忙しいさうなんです。」
「へえ! 務めてゐるんですか。」
絶れぎ
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