と秀子との関係も分った、先生「けれど秀子は少しも心細い様子はなく、ナニ米国は日頃から私の好む国ですから云わば故郷へ行く様な心持ですなどと答え、又権田も爾でしょうとも、貴女の様に読み書きも音楽も、人並優れて能く出来る身なら何所へ行くとも故郷へ還ると同じ事ですなどと云いました、それより間もなく米国を指し私の許を立ち去りましたが、其の時の姿の美しさは私自身さえ我が手術の巧妙に驚く程でした、散髪頭で遣って来た美少年姿の輪田夏子とは縦《よ》し多少の似た所は有るとも全くの別人と見え、是ならば新しい生命を与えた者と云って少しも差し支えはないと思いました。
「斯う全く別人に生れ替りましたから最早再び法律に触れる事などは有るまいと思いましたのに矢張り犯罪者は天性罪を犯す事に其の性質が出来て居ると見え、又も法律に触れて再び私に其の顔を作り直して貰わねば成らぬ事に成ったのですか、何たる因果な女でしょう、併しナニ其の様な事を批評するは私の職業で有りません、私は唯貴方がたのお頼みに応じ再び新たに生命を賦《ふ》して遣る丈の事です、何時でも宜しいから当人を連れてお出で成さい」
先生の言葉は是だけで終ったが、余は何
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