し図して居る。
 其のうちにヤットの事で網から其の品物を取り脱して船の中へ入れたが、オヤオヤ不恰好な其の包みの一方から何か長い物が突き出て居る、何であろう、何であろうと、余は双眼鏡の玉を拭いて見直したが、何だか人間の足らしい、泥の附いた合間々々が青白く見えて居る所は何うも女の足らしい、扨は叔父や高輪田などの見込みが当たって、全くお浦が死骸と為って水底に沈んで居たのだろうか。
 余は実に気持が悪い、けれど双眼鏡を自分の目から離す事は出来ぬ、探偵も巡査も余ほど驚いた様子である、頓て舟は土堤の下へ漕ぎ附けた、大勢が其の所へ馳せて行った、風呂敷包みは土堤へ上げられた、余の叔父は見るに忍びぬと云う様で顔を傍向《そむ》けた、高輪田も熱心に探偵に向って何事をか云って居る、探偵は更に余の叔父に振り向いた、叔父と探偵との間に暫く相談が始まった様に見える。
 後で聞いたら此の相談は、風呂敷包みを直ぐに其の所で開こうか家の中へ運び入れて開こうかとの評議であった相だ、警察の規則では総て斯様な品は現場から少しも動かさずに検査せねば成らぬので巡査等は家の中に運び入れては可けぬと言い張ったけれど余の叔父が事に由りて
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