ルの演説の間、僕は草稿をつくっていた。そしてその演説の終り頃に演壇の上の弁士席についた。コロメルがルール占領の張本人である王党の一首領を暗殺した若い女の無政府主義者ジェルメン・ベルトンの名をあげて何か言った時、演壇近くにいた四十ばかりの一人の女工らしいのが涙を流し流し、泣き声で「セエサ、セエサ」(そうです、そうです)と叫んでいた。
 僕は司会者に言った通り、日本のメーデーについて話した。
「日本のメーデーはまだその歴史が浅い。それに参加する労働者の数もまだ少ない。しかし日本の労働者はメーデーの何たるかはよく知っている。」
「日本のメーデーは郊外では行われない。市の中心で行われる。それもホールの中でではない。雄弁でではない。公園や広場や街頭での示威運動でだ。」
「日本のメーデーはお祭り日ではない。(五字削除)。(二十八字削除)。」
「(八字削除)飛ぶ。(七字削除)光る。」
 僕の多少誇張したこの「日本のメーデー」は、わずか二、三十分ながら、とにかく無事で終った。そしてさっきの四十女が時々「セエサ、セエサ」と叫んでいるのが目にも耳にもはいった。

 そして僕は演壇を下って、「そとへ出ろ、そ
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