もや、C・G・T・Uの首領どもは、警官隊との衝突を恐れて、できるだけの事勿れ主義を執ったのだ。さればその屋内集会も、パリの市内ではわずかにC・G・T・Uの本部の集会一つくらいのもので、その他はみな郊外の労働者町で催された。イタリアの同志サッコとヴァンセッティとがアメリカで死刑に処せられようとするのに対する、アメリカ大使館への示威運動ですらも、共産党はむりやりにそれを遠い郊外へ持って行ったのだった。
 セン・ドニはパリの北郊の鉄工町だ。そしてそこの労働者はもっとも革命的であり、そこの集会はもっとも盛大だろうと予期されていた。コロメルはそこでフランス無政府主義同盟を代表して演説する筈だった。
 メーデーの朝早く僕は市内の様子を見に出かけた。が、パリはいつものパリとほとんど何の変りもなかった。ただ多少淋しく思われたのは、タクシーが一台も通らなかったくらいのことだ。店はみな開いている。電車も通っていた。地下鉄道も通っていた。
 そしてその電車の中は多少着飾った労働者の夫婦者や子供連れで満員だった。僕はこれらの労働者の家族が郊外の集会に出かけるのだとはどうしても考えられなかった。
「おい、きょう
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