に言った若い安南人というのも、やはり以前フランスに留学して、帰ってしばらく役人もやって、今また再度の留学をするのだった。
僕は支那で、外国人のところに使われている支那人が、その同国人にいやに威張るのを見た。それと同じことを、この若い安南人はそうでもなかったが、やはり安南ででもあちこちで見た。ことに安南人の兵隊や巡査なぞはなおさらにそれがひどかった。
が、このフランス留学には、それと違った妙な意味あいからもある。安南人と言っても、そうそう卑劣と屈辱とにかたまっているものばかりじゃない。いろんな人間が出て来る。そしてフランスの官憲は、彼等に多少の言論の自由を許さなければならないまでに、余儀なくされている。しかし、その人間どもの中で、少し硬骨でそして衆望のあるのが出ると、すぐにそれをパリへ留学させる。そして毎月幾分の金をやってどこかのホテルの一室に一生を幽閉同様にして置く。
その一人に、パリでそっと会う筈にしていたが、やはりいろんな面倒があって、とうとうそれを果すことができなかった。
七
英領やオランダ領の、マレー、ジャワ、スマトラなどの土人も、みな安南人と同じように乞食
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