えて、その上からそとのマロニエの梢が三本ばかりのぞいていた。もう白い花が咲いていた。
西向きのこの窓の左には壁にくっついて小さな寝台が置いてあった。ちゃんと毛布を敷いてあったが、ちょっと腰をかけて見てもスプリングはかなりきいていた。毛布も僕が前にいたベルヴィルの木賃宿のよりはよほどよかった。
右側の壁には、やはりそれにくっついて、テーブルが備えつけてあった。そしてその前には、行儀よく、木の椅子が坐っていた。
このテーブルに向って左の入口の方の壁には、二つの棚が釣ってあって、そこに茶碗だの、木のスプーンだの、やはり木のフォークだのが置いてあった。
そして同じ壁の入口の向うの、寝台の足の方の隅には、上に水道栓が出ていて、その真下に白い瀬戸物の便所が大きな口を開いていた。便所の上で食器も洗えば、顔も洗える仕掛になっているのだ。これだけは少々閉口だなと思った。
床板はモザイクまがいに、小さな板きれをジグザグに並べた、ちょっとしゃれたものだった。
なるほどこれなら、アナトール・フランスのクレンクビュが、「床の上で飯を食ったっていいや」と言ったのももっともだと思った。そして、いつかパリ
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